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地域に根ざし、地域の中心となる一風堂を。
品川に生まれ育ったからには、品川の店主になる。

関 哲哉

一風堂五反田東口店店長

高校2年生のとき、諏訪インター店でアルバイトを始める

東京都品川区に関哲哉は生まれ育った。スポーツが好きで、野球に打ち込みたいと希望し、長野県茅野市にある東海大付属第三高等学校に入学する。しかし遠征費等の費用負担が年間100万円ほどに嵩む事情から入部を断念。そして高校2年生のとき、一風堂諏訪インター店でアルバイトを始めることとなる。長野での一人暮らしの生活費を賄うことと、大学進学の費用を貯めることが目的だった。
高校を卒業すると東海大学法学部に入学し、櫻井店長の薦めを得て五反田店で再びアルバイトを始める。五反田店は暖簾分け店主髙木星剛が預かっていた。 五反田店は髙木から香西康任へと店主が変わるが、関は二人の店主から一風堂に対する強烈な思いを感じたという。
関は一風堂で働くことが楽しくてたまらず、さらに店主に憧れを抱くようになる。その思いが募り大学を3年で中退して、2016年5月1日力の源の社員となる。アルバイトを始めて7年目のチャレンジだった。

暖簾分け店主に憧れ、店主を目指す

関は入社当時から暖簾分け店主になることを目標とする。高崎店の難波店主には多くのことを学んだ。その柱は2つ。一つは考え方、もう一つはお店づくりである。難波は言った。「スタッフのコップを立てろ。自分がやりたいことをしたいなら、仲間を育てろ。」と。
関がお世話になった五反田店は、ビルの建替えにより移転することとなる。そして五反田東口に所を変えてオープンする。その店舗で関は2017年3月、店長に昇進する。関は語る。
「店長になってやりたいことと守るものが増えました。お店を活気づけてさらに良くしたいとの思いが強くなり、悩むことも増えてきました。結局は難波さんから教えられたことに行き着きます。それは、スタッフが楽しく仕事ができるようにすることです。そのためには、スタッフ一人ひとりが責任感を持って仕事に取り組み、仕事を任せられるようにならなければなりません。日々のトレーニングや研修を積み重ねて、任せることができる環境を整えてゆきます」。 そんな中、2017年8月に五反田の夏祭に6名のチームで参加することができた。屋台を出して一皿500円の焼きラーメンを提供した。1日で660名のお客様が注文してくれた。「お祭に出るには、スタッフにお店を任せなければなりません。それができたことが嬉しかったですね。これからも地域に密着した活動を続けてゆきます」。
五反田東口店では月に1回の地域清掃活動に参加している。そして新たに地域の方から依頼が入ったそうだ。「10月に地元の中学生3名の職場体験を依頼されました。さらにお祭で御神輿を担ぐのにスタッフを貸して欲しい、との声もいただきました。このような繋がりを大切にしながら、地域になくてはならない五反田東口店を目指します」。

品川に密着して、品川を制したい

関が店長を務める五反田東口店は、月商1,400万円をキープして好調な業績を示している。今後の抱負について聞いてみた。
「僕は暖簾分け店主になりたくて社員を希望しました。品川に生まれ育ちましたので、五反田東口店の店主を目指します。ゆくゆくは、西五反田スタンドも狙ってゆきます。そして、自分の会社で経営できる一風堂を品川につくりたいと考えています。篠原猛店主や河原慎治店主のような総店主が目標です。現在店主巡りもさせて頂いており、多くの学びを得ているところです」。
力の源の好きなところを聞いてみた。
「やりたいことを明確にして行動すれば、きちんと応えてくれる会社です。私の指針は決まっていますので、その実現に向かって全力で走ります。また、一風堂はどんなときも元気で明るいところが大好きです。一風堂のウエルカム感は最高ですね。高校生のとき、最初に食べた一風堂のラーメンは衝撃的でした。ラーメンが美味しかったことはもちろんですが、接客に込められた熱い気持ちが伝わってきて、その思いを感じたから力の源の門を叩いた次第です。この思いを後輩たちにも伝えてゆきます」。

自分たちの生活圏は自分たちで守りたい

力の源に関わる人たちは、みんな家族であり仲間だと関は言う。五反田店が閉じて五反田東口店がオープンするまでは半年のブランクがあった。関が五反田店で働いていた仲間たちに呼びかけると、半数のスタッフが着いてきてくれたという。そんな仲間たちがいるから現在の五反田東口店がある。これからさらに力をつけて、みんなの経済圏を守ってゆくことも自分の大切な仕事ととらえている。
「五反田東口店には新卒社員が3名います。なぜ新卒を預けて頂いているのか、そこも私に託された使命だと考えています。私は一風堂が培ってきた伝統を継承する役割を担っているわけで、私が学んできた一風堂の原点と本質を私の言葉で伝えてゆきます」。
関は五反田の2店舗の店主になる自分をイメージしている。品川の地域に根ざし、地域の中心にある一風堂を目指して、22歳の情熱のすべてを今、五反田東口店というステージにぶつけている。