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4やりがい×一風堂

人生において、あったら楽しくなるエッセンスが大切

島津 中筋はアメリカの大学に行ったり、海外で仕事をしてきて、どうして飲食業を最終的に選んだの?

中筋それは、シンプルに人間力を養いたかったからですね。

どうして一風堂だったのかというと、「変わらないために変わり続ける」とか、「先輩は後輩のために」という会社の理念に共鳴したからです。会長の言葉にもありますが、単純にお客様から笑顔と「ありがとう」って応えがすぐに返ってくるのも飲食業の醍醐味ですよね。

庄島 ああそうですね。それは大事。

中筋もちろん、その代わりにご指摘いただくこともあるし、へこむことも多いんですけど。きっちりちゃんとやったことに関しては、その見返りが返ってくるし、お客様からたくさんのことを学べるのが飲食業の魅力だと思ってます。

また、海外で働ける環境が整っているのも魅力でした。日本だけじゃなくて、世界が舞台ってかっこいいじゃないですか。しかも仕事しながら、様々な食文化やいろんな国の人の価値観に触れ合えるなんて、もう最高ですよ。大変なことはもちろんありますが、当たり前じゃない恵まれた環境が用意されているのも、一風堂の良さであり強みだと思います。

関口庄島さんは、ホームページでお酒を売るだけだったら配送業と変わらない。みたいなことを仰っていますが、酒屋という仕事の役割だったり、醍醐味をどう考えていますか?

庄島 どの仕事でも「変わらないために変わり続ける」というチャレンジは何より大切だと思っています。僕は同じ博多の飲食業界として、どこよりもチャレンジを続けている一風堂さんの背中を遠くで見ながら、酒屋で何ができるのか考えています。昨日なかった価値を明日作れるかどうかが仕事の醍醐味ですから。

うちは製造販売じゃなくて仕入れて販売する仕事ですが、そこで新しい価値を生み出すことができれば、新しいマーケットができて人が集まってくる。どこに向けてチャレンジしていくのかがはっきりしてる会社は魅力的だし、僕もそうありたいですね。

島津 住吉酒販さんはうちの会社と似てるね、理念が。それは笑顔とか、ありがとうとか、人生においてあったら楽しくなるエッセンス、ほくほくするエッセンスだと思うんだよね。僕がこの会社に入ったのも、ラーメンが一杯でその人を温かくさせられるから。こんなわかりやすい飲食業ってないなと思ったからでした。

仕事ってやっぱり楽しくないと仕事じゃないと思います。飲食業ってその最たるもので、それこそ庄島さんが掲げる「酒に笑う人生」とか、僕らなら「笑顔とありがとうを世界中に」みたいな言葉もありますが、いいものを周りに伝えることは、自分から何か発信しなきゃいけないんですよ。自分が楽しくないとそれができないよね。お客様に対して笑顔で「こんにちは」って言えなきゃダメです。

ちょっと話は違うんだけど、海外に行って日本に戻ってきたときに、そういう楽しみ方を知らないんだなと思うことが多かったの。飲食業って何だろうとか、サービスって何だろうとか、分からなくて働いてる人が多いなと思ったんです。食うためにする仕事とか、とりあえず就職してみようとかで働いているからかもしれないけれど。

こんなこと言っちゃ駄目ですが、「日本人、生命力弱っ!」と思ったんです(笑)。これじゃあ海外に出て行っても負けますよ。でも本当は日本人の僕らの持ってる血とか歴史とかって面白いし、すごく価値があるんです。それを勉強することで世界中どこでも闘っていけるんじゃないかと思っています。

アルバイトさんだろうが、店長だろうが僕はそれを伝えたいって思うし、一緒に何かワイワイしながら仕事したいよね。
飲食業は面白いよ、ラーメン屋は面白いよ、酒は面白いよってみんなに言っていきたいなと思ってます。それが今の仕事だと思ってますね。

撮影=原智彦、文=岡本ジュン、デザイン=ziginc.
※所属、役職はインタビュー当時のものです。