close

色々な選択肢が力の源にはあるが、
自分はこの組織で自分の可能性に挑戦したい。

花田 宗太

IPPUDO TAO FUKUOKA

(現・一風堂西通り店)

学生時代に経験した飲食業に再チャレンジ

北九州の高校を卒業すると、花田宗太は福岡の中村学園大学流通科学科に進んだ。大学の勉強には身が入らず、もっぱらアルバイトと遊びに明け暮れた。授業が終わると夕方から中間市にある居酒屋吾平に入り、仕事を終えると北九州の自宅に帰る。そんな生活を4年間続けた。
卒業するとイムズマリンというダイビング関連の企業に就職した。ダイビング関連の機材とスクールの営業を担当して知人や友人を勧誘した。機材とスクールをセットにすると100〜130万円の契約になる。
友人や友人の伝手を頼っての個人営業は人間関係に歪みを生みかねない。相手の気持ちを大切にする花田は、悩み、限界を感じて7ヶ月で退職する。 次に選んだ会社は建築資材を取り扱うアクティトーヨー住器という販社で、工務店を主な取引先としていた。4年間勤めたのちエージェントの紹介を得て力の源に中途入社する。
当時の心境を花田は語る。
「営業の仕事が嫌だったわけではありません。新たな刺激が欲しくなり、学生時代の経験もあり飲食の仕事を目指していました。そんな流れで力の源に巡り会いました。ラーメン屋にはハードなイメージ(男っぽいきつい仕事)を抱いていましたが、決めたからにはやっていこうと決意しました」。
花田はその決意を示すために、最後となる営業の仕事に全力で取り組んだ。その結果、全九州で売上げ1位、新規獲得1位、エクステリア部門1位と抜きん出た結果を残した。
そして、それまでほとんど褒めることがなかった社長にも褒められた。 「それぞれのお客様に適切に対応して努力している。会社に残ってくれないか」と。花田は自分が必要とされていることを感じることができて嬉しかった。

薬院店で接客のツボを学ぶ

力の源に入社すると薬院店に研修に入った。店主の和田響からは接客の大切さを学ぶ。薬院店では、先味、中味、後味の接客が徹底されていた。
先味はお客様がお店に入られてから席につかれるまでの応対。笑顔でいらっしゃいませ。中味はお客様の様子に常に気を配ること。替え玉への即座の対応など。後味は、目を見て笑顔でお見送り。
そして和田の動きには感心させられた。どのポジションにもすぐ入り、和田がたくさんいるように感じたという。

お客様のクレームから接客業の喜びを学ぶ

薬院店の研修を終えると、高江洲が店長を勤める西通り店に配属される。西通り店は薬院店とはまったくお客様の層が異なっており若者や海外の観光客が多い。そしてとにかく忙しい。平日で500〜600名、休日には800〜1,000名のお客様が訪れ活気に溢れる店舗である。
花田は西通りで貴重な体験をする。それは1通のクレームメールから起こったものである。お客様は20代前半の女性。アルバイトスタッフの対応に関するものだった。お客様がラーメンを食べる瞬間に、スタッフの伝票を持つ手がお客様の目の前で交差したのだった。
花田は店長の高江洲と相談して対応に当たることにした。クレームの発生時に花田は店にいたからである。
「お客様の携帯にお電話しました。出られなかったのでメールをお送りしました。すると、指定された時間に電話するように返答が返ってきました。お客様は、クレーム発生時に自分の名前も見ており、自分の接客の良さを伝えてくれました。そしてお客様も接客業の仕事をされていると話されました。お客様はよく見ておられる。悪いところを指摘すると同時に、良いところは褒めてくださる。感動し、接客業の楽しさを実感した瞬間でした。」
西通り店は2016年7月にビルの建替えのため閉店した。花田は一風堂TAO福岡に移っていたが、最終日を迎える西通り店にTAOの閉店後向かった。最後のラーメンを食べようと入店したとき、スタッフが「花田さん営業に入らない?」と誘ってくれた。最終日は素晴らしい活気だった。麺上げを任された花田は、スタッフの心遣いに感謝しつつ、仲間の大切さありがたさを実感した。

環境の雄大さ自然の素晴らしさを実感した“くしふるの大地”

花田は“くしふるの大地合宿研修” を思い出す。0研、1研、2研修。3年にわたって参加した。
「まず環境の雄大さ、自然の豊かさ素晴らしさに感動しました。0研修では、自分を叩き直すことができました。自分の甘さや中途半端なところに気付かされました。ここからスタートしました。1研修ではリーダーを務めました。リーダーを担うと、まったく違った立場に立たされます。反省点は多々ありますが。かけがえのない経験でした。2研修では創作ラーメンが印象に残っています。ラーメンづくりの技術の深さを実感できました。」
“くしふるの大地合宿研修”では同期の仲間が生まれる。ときどき、「みんなどうしているかな」と気になるという。

30歳、人生の転機、店長をステップに高みを目指す

これからについて聞いてみた。
「一風堂TAO福岡はとても面白いお店です。一風堂とはラーメンも違うし常連さんも多いですね。TAOのパワーはものすごく、TAOのファンの方達もたくさん見えられます。私は、TAOの力を大切にしつつ、自分のファン、スタッフ一人ひとりのファンをたくさん作ってゆきたいと考えています。」
27歳で力の源の一員となった花田は今年30歳を迎えた。さらに抱負を語る。 「現在は地域限定の契約社員の立場です。来年は一般正社員を目指して店長になります。先にはスーパー店長、マネージャーを視野に入れています。私は店主や独立を希望するのではなく、力の源という組織で自分の可能性を開花させてゆきたいと考えています。」
また今年3月には結婚式を挙げて家族ができた。
「結婚してから仕事の見え方も違ってきました。今までは自分のことだけを考えていましたが、結婚してからは妻のこと、他の人のことも考えることができるようになりました。支え合えるパートナーを持てたことに感謝しています。子供は3人欲しいですね。」
仕事もプライベートも明確な目標を描いている花田。力の源でのさらなる活躍が楽しみである。