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FEATURE

人間の感情に文化の違いはない。導入している研修プログラムは仕事だけでなく従業員が本質的により良い人生を送るための手引き。

ACそうそう、力の源グループが「7つの習慣」について取り組んでいることを教えてください。

星崎現在、社内では「7つの習慣」を企業哲学にしようと努力している最中で、奮闘しています。森さんや私を含め、「7つの習慣」を教えるライセンスを持つファシリテーターがいます。また、ランドマーク社のブレイクスルーテクノロジーコースの導入も決定しました。

※ランドマークは、サンフランシスコに本社を置き、世界130都市以上で教育プログラムを提供している会社。パンダレストラングループでも研修の1つとして導入している。

ACランドマークの研修は日本語で実施されるのですか?

星崎日本語です。

AC信じられない。それは素晴らしいですね。

星崎はい、すごくエキサイティングです。現在、だいたい40人名弱の社員がまずフォーラム等を受けています。今度は、社内にもランドマークの講師に来ていただく予定です。

星崎御社はなぜ「7つの習慣」や「ランドマーク」の研修を導入されているのでしょうか。

ACどちらも若者にとって分かりやすいメッセージだと思っています。そして、非常に直感的です。

特に、「7つの習慣」の著者であるコビー博士の言葉は、非常に理解しやすいのがポイントです。

日本人であろうと、中国人であろうと、アメリカ人であろうと、感情は同じです。違いはないんです。先ほども言ったように、「7つの習慣」は特にわかりやすいし、受け入れやすかったです。

星崎ダイバーシティ(多様性)にとって、それはとても良いことですね。

ACダイバーシティもそうですが、異文化に対する考え方だと思います。

星崎「7つの習慣」を導入した目的は、文化を超えた社風を創ることでしょうか。

ACそうです。「7つの習慣」は、文化を越えて本質的に人生をどう生きるかという素晴らしい手引書だと思っています。

星崎人生をどう生きるか?

ACええ、どう生きるか。人生の仕組みです。

たとえば、私は成功とは、その人の行動ではなく、その人そのものだと思っています。

長年の取組みによって研修の仕組みはPRG社として定着してきました。ゆえに所属する人財が成長することが企業としてのPRG社の成長であると感じています。

星崎従業員がより豊かな生活を送る上で、本当に効果的だと思ったのが、「7つの習慣」を導入した要因ですか?

ACその通りですが、内容そのものだけではなく、重要なのはリーダーの関わり方です。PRG社全体で取り組もうとすると、そういう勉強をするのに、みんなが実施しようと決意しないとできないと思いますし、それが大事だと思います。

大事なのは、スタッフに無理強いをするのではなく、強制していないことだと思うんです。
彼らが自分たちで判断し、自分たちで成長している。自分でやり遂げている。彼らが全部自分でやっている状態。それが本当の効果だと思いますし、重要です。スタッフの成長とともに会社発展していってくれているんです。

当社における人財育成とは、従業員自らによるモデル化であり、自分たちの成長・発展の話なのです。

星崎もう少し詳しく教えて頂けますか?

ACみんなが自ら学び、「7つの習慣」を理解したら、それで環境が整備されるわけです。
そこから起きることは、その環境で続けるか、立ち去るかのどちらかです。
私が従業員を成長をさせたり、変えることはできない。それは大変難しいことです。

星崎その「環境」の話なんですが、たとえば、僕らで言うと、社員のほぼ全員が「7つの習慣」の研修を受け終わっています。

星﨑 剛士(TSUYOSHI HOSHIZAKI)
力の源パートナーズ 人財コンサルティンググループ


大手レジャー・アミューズメント系企業を経て、米国に渡りMBA(経営学修士)を取得。帰国後、自身でコンサルティング事業を手がけた後、2012年力の源カンパニーに入社。アジア・オセアニア事業本部長、人事本部長を経て2016年から現職に。

「7つの習慣」を学び、生活の中で実践しているわけですが、まさにいま仰られたことが重要だと思います。一方で、環境として確立するまでには、時間が必要とも感じています。
研修を受けて終わりではなく、私たちは「7つの習慣」と毎日の生活の間の繋がりを失わないようにしないといけませんね。

星崎PRG社では、仕事とうまく連携できるような工夫をされていると思いますが、いかがですか。

AC私が思うに、学習とは言葉で示し、図で示し、行動で教えなければならない。人が理解するのは、簡単なことじゃないと思うんです

星崎それは本当に時間がかかることですよね。

AC企業文化については、どういう状況ですか?

星崎それを今、元からある素晴らしい文化を整理・補強している最中なんですが、「7つの習慣」の研修を行って、評価の仕組みづくりに挑戦しています。「7つの習慣」をベースにしたものです。

ACこういった事は効果が出るまで、時間がかかると思います。浸透していくまで時間が必要でしょう。私の経験から言えば、企業文化を醸成するのに必要なことは、運営にもっと時間をかけることです。

企業文化を醸成するためには、人事などのサポートスタッフが率先して店舗に入り、従業員と一緒に働き、言葉だけでなくお互いに実践してみせる。企業文化を創る上では、それが大切だと思うんです。

星崎なるほど。店舗で一緒に働き実践するということ。

AC人事が店舗の仕事に深く関わることもできます。店舗業務を通じて、共通言語を創ることが大切だと思います。

星崎はい。私が実施したいのは、「7つの習慣」を本当にお店であったり、働いている一人一人にとっての共通言語を創ることで、そこから彼らの人生がさらに豊かに、広がっていくことが本当に大切だと思っているんです。

ACまさしくそれはできるんですよ。時間と手間はかかりますが、それを乗り越えるのが大事なんです。

星崎その意味では本当に、PRG社のカルチャー形成は、我々力の源と共通点が多いと思います。力の源にとって間違いなくモデルになります。

ACありがとうございます。

 個人的な質問なのですがいいでしょうか。

私は暖簾分け※の店主として小さいながらも自分で会社を起こして、自分の会社を運営しつつ、一風堂の力の源カンパニーと一緒に仕事をしています。いま私の会社は一店舗の経営で、スタッフが27人です。

※店主会について
一風堂には、独自の「のれん分け制度」があり、設けている選考基準をもとに、
一風堂マインドを受け継ぐことができる人財と、認められた者だけに「のれん」を背負う店主としての資格が与えられる。

人を採用するときに、どういう人が一番良いかっていうのをいつも考えるんですが、僕の中では、優しいとか素直とか誠実が一緒に働く方に求める重要なキーワードなんです。

Andrew会長は、人財を採用する際には、どんな、素質、資質を重要視していますか。

森哲也(TETSUYA MORI)


力の源カンパニーに入社後、35歳の時に「のれん分け制度」を利用して独立。現在は、一風堂岡山店の店主として会社を経営しながら、力の源カンパニー取締役、営業企画本部にて直営店舗の業務推進も担っている。

ACそれは将来をどう描くかで違ってきます。

例えば、これからお店をたくさん出すとか、出さないとか。出さないんだったら、確かに素直な人が良いですよね。でも、お店を増やし会社を大きくするといった想いがあるならば、素直なだけでなく、会社の成長段階に伴った経理だったり、人事だったり、店舗開発だったりプロフェッショナルの存在も必要ですよね。