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FEATURE

3宮崎さんが考える飲食業の魅力

情報をもらうのではなく、提供する人財が価値を生む

─ 宮崎さんが一風堂時代にやってきたことや、考えていたことを教えていただけますか?

社員の時には情報をもらう側じゃなくて与える側になりたいと思っていました。
例えば「今、全国のラーメンはどうなっているんだ?」って聞かれたら、「東京ではこんな店が売れていますよ」って言えるようにしておかなければ、必要とされないと思っていました。

会社にいるなら「貢献できる人財」になればいいんですよ。会社が何を必要としているか、何を問題としているかを見つけ、それをクリアにするにはどうしたらいいかを考えれば優秀な人財になれる。そのためには勉強が必要だし、情報交換のためには外にも出なきゃいけない。人との交流も必要です。答えは社内じゃなくて外にしかないと思っています。

外に出る楽しさみたいなものはいっぱいあるんじゃないかな。例えば、同業のラーメン屋の店長じゃなくてもいいんです。居酒屋の店長と関わるとか。近いところでいうとそんなところから始めてみればいいんじゃないかな。

最後はやっぱりその人がどこを目指しているのかという話です。
社内で一番になりたいのか、独立したいのか、ラーメン屋の店長で一番になりたいのか。自分がどこまで行きたいかを設定していない限りどこにも行けないですよ。

独立が偉いとか、会社に残るからダメとかという話ではなく、僕は一風堂に入社した最初から、どうしても自分のお店、自分の居場所が欲しかった。成美さんとずっと仕事していれば居場所はあっただろうけど、どうしても自分の世界を作りたかったんです。

─ 力の源グループには大分県の久住高原の研修施設で各地から集まった社員と泊りがけで学び合う「くしふる研修」という研修がありますが、これは宮崎さんが創った力の源アカデミーがベースとなっています。今、ソラノイロでは社員さんにどんな研修や指導をされているのでしょうか?

色んな研修をやっています。1番身近なところでいうと、1人1人にLINEを利用しての食べ歩きレポートをやってもらっています。これは1週間でまかない1回、ラーメン屋1軒、ラーメン屋以外1軒を食べて感想を書くというものです。自分の店の味チェックを兼ねて仕事としてやってもらっています。

これをやると他の人が行ったお店を知ることができるし、自分の店のラーメンでもそれぞれ感じ方が違うので、他の人の視線でとらえた意見が勉強になるんです。

感想を言葉にするのは意外と大変なので、人に見せるという前提で書くのは大事ですね。
見ていると、レポートを一生懸命書こうとしている人とやらされている感のあるひとも分かるしね。食べ歩きひとつでもバカにしないで熱意をもってやっているというところを、僕はちゃんと見ています。

一風堂は自分の可能性を広げるには最適な環境

─ 一風堂で働いた経験から、力の源ホールディングスの魅力について教えてください

魅力はいっぱいありますよ。まず人が優しいし、温かくて居心地がいい。
あとは、会社を使って勉強できるところもいい。研修もいっぱいあるし、海外にも行けるし、のれん分け制度もある。自分の可能性を広げるには最適な環境じゃないかな。

そして社内には、お金に関してとか、マネジメントとか、管理業務の知識を教えてくれる人などが、周りに沢山いる。これは貴重だと思います。
そうした人たちに聞きに行けばタダで教えてもらえるんだから、これって凄いことなんだけど、多くの人はなかなか知ろうとしない。
例えば力の源グループの研修費は他の会社では考えられないくらい多くお金をかけているけど、このお金はどこから出ているのか、とかね。
そういうことを知らないと、やってもらうのが当たり前になっちゃう。
一人あたりの研修費用を出すためには、自分の店がどれだけの売上を上げて、どれくらい利益を出していないといけないかを知ると、研修に臨む気持ちも、成果を出そうとする貪欲さも変わるし、もっと利益を出そうとか、無駄を圧縮しようとか、より努力をするようになるよね。

─ 宮崎さんが考える飲食業・ラーメン業の魅力を教えてください

飲食業はお客様に直接に喜んでいただける、ダイレクトに反応をいただける幸せな職業です。何かを作ることが好きで、人と関わるのが好きな人には最高でしょう。

この業界をこれからもっと盛り上げていくには、魅力ある人間を育てることが必要ですね。夢を叶えた人たちが、どんなことを考えて動いているのかを広く知れるといいですね。
ラーメン屋はやればやっただけ自分に返ってくるいい仕事です。人は自分次第でどんな人間にもなれるし、夢は自分が動いて捕まえるもの。力の源にはそうした環境がすごく揃っているし、チャンスもたくさん転がっていて勢いもある。そんな職場はなかなかないですよ。

聞き手=関口照輝、撮影=原智彦、ライター=岡本ジュン、デザイン=ziginc.
※所属、役職はインタビュー当時のものです。